ローリングストックのメリット・デメリット|食べ慣れた食品で備蓄を続ける方法

ローリングストック:食べて、補充して、量を保つ

防災用に買った食品をしまい込み、気づけば賞味期限が切れていた。普段食べない缶詰をそろえたものの、どう食べればよいか迷って、そのままになっている。そんなことはありませんか。

ローリングストックは、普段の食品を少し多めに用意し、期限の近いものから食べ、食べた分を買い足して、一定量を保つ備え方です。[1]

普段の食事で味や食べ方を確かめながら、在庫を入れ替えられるのが利点です。ただ、好きな食品を早く食べてしまったり、家族が食べた分を補充し忘れたりすると、備蓄は減ってしまいます。

食品は味や期限に加えて、栄養や食べる場所まで考えて選びましょう。ローリングストックのメリット・デメリットを押さえながら、食品の選び方と、家族で食べて補充を続ける方法を考えてみましょう。

この記事の目次

ローリングストックの仕組み

ローリングストックで繰り返すのは、少し多めに備える、期限の近いものから食べる、食べた分を補充するという流れです。缶詰やレトルト食品など、普段の買い物で手に入る食品でも始められます。[1]

大きな災害では、物流が止まって食品を買えなくなったり、電気・ガス・水道が使えなくなったりするおそれがあります。そうしたときに食べるものを、日頃から家庭に置いておくための方法です。[2]

長期保存の非常食と、日常で食べて補充する食品を組み合わせても構いません。どちらも、商品の保管条件と期限を守って管理しましょう。

少し多めに備え、期限の近いものを食べ、食べた分を補充する循環
食べることと補充を組み合わせ、一定量の在庫を保ちます。

ローリングストックのメリット

期限を確かめながら在庫を入れ替えられる

期限の近い食品を普段の食事で食べ、表示を確かめて次に使う分を買い足すことで、在庫を更新できます。何年も保管した後にまとめて消費する負担を減らし、奥に残った食品の期限を見落としにくくなります。買い足した食品も、表示された期限で先に食べる順を決めましょう。[1]

味や作り方に慣れておける

災害が起きる前に食べることで、好みの味か、家族が食べられるか、何を用意すれば食べられるかを確かめられます。同じご飯や缶詰でも、商品によって口に合うものは違います。私は、いざというときに初めて開けて戸惑うことを減らせる点も、ローリングストックの利点だと考えています。[3]

普段の買い物で少しずつ増やせる

普段から食べる食品なら、いつもの買い物で少し多めに買うところから始められます。まとめて一式をそろえる方法に比べて、予算や置き場所に合わせて増やしやすいのもよいところです。[1]

忙しい日の昼食や、料理をする余裕がない日の夕食にも使えます。私は日々の食事でも助けになる食品を選ぶと、食べて補充する機会を作りやすいと思います。

ローリングストックのデメリットとつまずき

同じ食品に飽きることも食べすぎることもある

好きな食品でも、同じものが続けば飽きてしまうことがあります。一方、パンやお菓子の缶詰などが好物だと、普段のおやつとして早く食べてしまい、備蓄が減ることも考えられます。食べる種類を分けることと、食べた分を補充することの両方が必要です。

家族が食べた分を把握しにくい

自分が管理していても、家族が食べた分を知らなければ、在庫が減ったことに気づけません。家族も普段から使う前提で、何がどこにあるか、食べたらどう知らせるか、誰が買い足すかを共有しておきましょう。

管理・収納・費用の負担がある

食品が増えれば、期限を見たり、置き場所を確保したりする手間も増えます。細かく分けすぎて探しにくい、同じ食品を重ねて買ってしまう、といったことも起こり得ます。最初に在庫を増やす分の費用も必要なので、管理できる量と予算を見ながら進めましょう。

こうしたつまずきを減らすには、食品の選び方、必要な量、補充の方法を一緒に決めておくと取り組みやすくなります。

普段の食事に合う食品を選ぶ

最初に、最近の食卓を思い返してみてください。ご飯が足りないときに使うパックご飯、昼食に食べるレトルト食品、朝食に添えるみそ汁など、食べる場面が浮かぶ食品は候補になります。

缶詰を普段食べない人が、備蓄のために同じ魚の缶詰を大量にそろえると、消費すること自体が負担になるかもしれません。私なら「備蓄に向いているか」と一緒に、いつもの食事で、無理なく食べ続けられるかを確かめます。同じ味に飽きそうなら、少量ずつ種類を分ける方法もあります。

主食にたんぱく質をとれるおかずを組み合わせる

特に、主食に加えて、たんぱく質をとれるおかずがあるかを確かめましょう。魚・肉・豆などの缶詰やレトルト食品を、ご飯やパンに組み合わせて考えます。野菜や果物を補える食品も含め、栄養バランスと家族の人数・好みに合わせて備えましょう。[4]

同じカレーやスープでも、具材や栄養成分は商品によって違います。味や商品名だけで選ばず、原材料・栄養成分表示も見て、食事全体で何を補えるかを考えましょう。

食事の役割 食品の候補と確認すること
主食 米、パックご飯、乾麺など。炊飯・加熱に必要な水と熱源を確かめる。
おかず 肉・魚・豆の缶詰、レトルト食品など。家族が食べられる味・量と、加熱の要否を確かめる。
野菜・果物など 野菜の缶詰、野菜ジュース、ドライフルーツなど。主食・おかずと組み合わせる。
汁物・おやつ 即席みそ汁、スープ、ビスケットなど。お湯が必要か、飲み物も用意するかを確かめる。
主食に肉・魚・豆などのおかずと野菜・果物などを組み合わせる
主食だけに偏らず、おかずや野菜・果物なども組み合わせます。

食べるための水や熱源を確認する

停電時には電子レンジや冷蔵庫を使えないことがあります。買い置きには、常温保存できる食品や、加熱せずに食べられる食品も含めましょう。お湯や加熱が必要な食品には、調理用の水、使える熱源、器なども必要です。食品ごとの表示を見て、実際に用意できる食べ方を確かめておきましょう。[5]

匂いと食べる場所も確かめる

食品の匂いも、選ぶときの確認点です。例えば、避難所でカレーを食べる場面を考えると、香りが周囲に広がることに気を遣います。自分は好きな香りでも、近くの人が同じタイミングで食事をしているとは限りません。

自宅で食べる分と、避難所へ持ち出す分は、食べる場所に合わせて選びましょう。例えば、カレーは自宅の食事に取り入れ、持ち出す分には別の食品を選ぶ方法もあります。持ち出す食品は、開けたときの香りや、加熱せずに食べられるかを普段の食事で試しておきましょう。避難所では、飲食できる場所や時間を運営側に確認します。

食後の空き缶や残り汁をどう片づけるかも考えておきます。食品と一緒にごみを入れる袋を用意し、避難所では指定された分け方・出し方を確認しましょう。開封した食品は早めに使い切る必要があるため、一度に食べられる大きさかも、選ぶときの確認点です。[6]

自宅用と避難所へ持ち出す食品は、食べる場所に合わせて選ぶ
味だけでなく、食べる場所や開けたときの匂いも確かめます。

家族の人数と日数で備蓄量を決める

食品備蓄の目安は、家族の人数分を最低3日分、できれば1週間分です。地域の状況に応じて、さらに多く備えることも考えます。[2]

例えば、大人2人が1日3食を3日間食べるなら、必要な食事は合計18食分です。ただし、みそ汁18食分だけで18回の食事がそろうわけではありません。朝・昼・夜に何を組み合わせて食べるかを考え、主食とおかずなどが足りるかを見ます。

まず家にある食品を数え、使える在庫から不足分を考えましょう。お金や置き場所に余裕がなければ、普段の買い物で少しずつ増やす方法もあります。少量から始めた後も、目標の日数に届いているかを確認していきます。

乳幼児や高齢者、持病・食物アレルギーなどで食事に配慮が必要な人には、その人に合った食品の備えが必要です。政府広報は、こうした人の食品を少なくとも2週間分備えることを案内しています。家族全員を同じ内容・日数で考えず、それぞれの食べられる条件に合わせましょう。[5]

水も、飲用・調理用として別に確保します。必要な本数と保存方法は、「水の備蓄は何リットル必要?」で詳しく紹介しています。

古いものから食べて補充する

食品をそろえたら、期限の近いものを手前に置き、買い足したものは期限を確かめて奥へ入れます。購入した順と期限の順が違うこともあるので、表示を見て並べましょう。毎回探し回らなくても、先に食べるものを取り出せるようにしておくと続けやすくなります。

種類ごとに細かく分けると探しにくいなら、常温保存の食品のうち、期限が近いものを「先に食べる箱」にまとめる方法もあります。買い物へ行く前にその箱と在庫を見れば、食べるものと買い足すものを決めやすくなります。

食べた分は早めに補充しましょう。私は食品を取り出すときに、その数を買い物メモへ書いておく方法がよいと思います。食べ終わってから思い出さなくても、買い足すものと数がその場で分かります。家族も使うなら、メモの場所と、誰が補充するかを共有しておきましょう。

ここでは、次の買い物の直前にも、残しておきたい量があるかを確かめましょう。買った直後に十分な数があっても、普段の食事で使えば減っていきます。

例えば、ある食品を6袋は残しておきたくて、次の買い物までに2袋使うなら、8袋を置いておく考え方があります。2袋使ったら補充をメモし、次の買い物で元の数に戻します。これは一つの食品の管理例です。家族の食事全体が足りるかは、主食やおかずを合わせて確認してください。

8袋から2袋使って6袋を残し、2袋補充して8袋に戻す管理例
一つの食品の管理例です。家族の食事全体が足りるかは別に確認します。

この例より早く減るなら、家族が食べる量も含めて、置く数か買い物の間隔を見直しましょう。普段食べることが補充につながるように、食べた人が共有のメモに数を書くなど、家族が参加しやすい方法を決めます。

いつもの一食で試してみる

  1. 家にある常温保存の食品から、普段の食事で使えるものを一つ選ぶ。
  2. いつもの食事で開けて食べ、味や量、準備に要るもの、匂いと食後の片づけまで確かめる。
  3. 食べた数を買い物メモへ書き、次の買い物で補充する。

まず一つの食品で食べる機会と補充の方法が決まれば、同じやり方をほかの食品にも使えます。家族が食べるものを選びながら、目標の日数に向けて種類と量を増やしていきましょう。

まとめ買いの前に消費ペースを確かめる

まとめ買いをするなら、味、期限までに食べられる量、置き場所、支払いの負担を確かめてから選びましょう。初めての食品は、近所のお店などで少量を試し、普段の食事に取り入れられるかを見てから増やすと、買った後の消費に困りにくくなります。

日頃の食事に使う食品が決まり、消費ペースがつかめたら、まとめ買いも選択肢になります。そなまるストアの次の商品は、セットの量を管理できるご家庭の候補です。

信田缶詰のさば味噌煮190g缶

おかずの買い置きにさば味噌煮

信田缶詰 さば味噌煮 国産生原料使用|190g×24缶

自宅の食卓でさば味噌煮を食べるご家庭のおかず候補です。同じ味が24缶届くため、期限までに使える数かを確認してください。開けた後の匂いや空き缶の片づけも、日頃の食事で確かめておきましょう。1缶で何人分にするかは、食べる量とほかのおかずに合わせて考えます。

9,405円(税込・24缶セット)

さば味噌煮24缶の内容・保存条件を見る
アマノフーズいつものおみそ汁4種バラエティセットのパッケージ

普段の食事に添えるみそ汁

アマノフーズ いつものおみそ汁 4種バラエティセット|8食×3箱

朝食や昼食にみそ汁を添える習慣があるご家庭の候補です。合計24食分のみそ汁で、主食・主菜は別に必要です。食べるときは、商品の表示に従った量のお湯と器を用意してください。

2,879円(税込・8食×3箱セット)

みそ汁24食セットの内容・作り方を見る

セットの数量は、家族の必要日数を保証するものではありません。届いた商品の賞味期限と、原材料・アレルゲン、保管・調理方法を確認してください。送料は購入手続きで確認できます。

まとめ

一食で試し、食べた数をメモして補充し、必要な量を保つ
家にある常温保存の食品を一つ、いつもの食事で試すところから始めましょう。

ローリングストックは、普段の食品を少し多めに備え、期限の近いものから食べて補充し、一定量を保つ方法です。

大切なのは、家族が食べられるか、食べる場所や準備に合うか、必要な量を残して補充できるかまで確かめることです。まず家にある食品を一つ、いつもの食事で試してみてください。次にいつ食べ、使った分をどこで買い足すかも決めておきましょう。

おかずの買い置き:さば味噌煮を見る 食事に添える:みそ汁セットを見る

参考資料

  1. 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(2)」
  2. 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)」
  3. 消費者庁「食品ロスにしない備蓄のすすめ」
  4. 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(3)」
  5. 政府広報オンライン「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方」
  6. 近畿農政局「食品を保存する時に気を付けたいポイント」