断水でお風呂に入れないときは?体・髪・着替えの備え

地震や台風などの災害が起き、断水が続くと、自宅が無事でもお風呂やシャワーを使えなくなることがあります。汗をかいた体を洗えず、髪のべたつきも気になる。さらに洗濯までできなくなると、清潔な下着や肌着の替えも減っていきます。
洗濯が止まると、使った下着やタオルを洗って、翌日また使うことも難しくなります。髪を洗えたとしても、停電していれば乾かすのに困ります。体をどう拭くかに加え、着替えや使い終えた後のことまで考えておくと、断水中のケアを続けやすくなります。
入浴できない間は、水を使わずに体や髪を拭き、下着を替えることを基本に、使える水の量に応じてケアを組み合わせます。この記事では、安全な自宅で過ごせる場合を中心に、少量の水でできる方法、用品を選ぶ条件、必要な数の目安を説明します。自宅にとどまれるかの判断は避難所と在宅避難の備えを参考にしてください。
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飲用・調理用の水を残し、衛生に使う水を分ける
まず考えたいのは、限られた水の使い分けです。備蓄の目安となる1人1日約3Lは、飲用・調理用の水であり、入浴や洗濯まで賄える量ではありません。農林水産省も、それ以外に食品や食器を洗う水などが必要だと説明しています。[1]

飲用・調理用の必要量を確保し、体や髪のケアに使う分は別に用意しましょう。必要な本数の考え方は水の備蓄量と保存方法のガイドにまとめています。ケアには清潔な水を少量ずつ取り分け、飲むための容器に使用済みのタオルを入れないようにします。水が十分にない間は、洗い流さずにできる方法から始めましょう。
お風呂に入れないときは、体を少しずつ拭く
お風呂やシャワーを使えないときは、首まわり、わき、胸の下、足など、汗や汚れが気になる部分を拭きましょう。タオルなどで体を拭く方法を「清拭」といいます。体用のウェットシートや、清潔な水で湿らせて絞ったタオルを使い、強くこすらずに拭き取りましょう。花王も断水時には少量の水とタオルなどで体を拭く方法を案内しています。[2]

水を使えない場合は、濡れた状態で袋から出して使える体用シートが便利です。使い終えたタオルの洗濯がいらないため、洗濯が止まっている間の手間を減らせます。反対に、少量の清潔な水が使えて、替えのタオルもあるなら、手元の布でケアできます。
どちらの場合も、汚れた面は替え、足やおしり周りを拭いた面で顔や上半身へ戻らないようにします。寒いときは拭く部分だけ服を開き、水分を残さず服を戻してください。普通の布タオルをぬるま湯で湿らせる場合も、肌に当てる前に熱さを確かめます。市販のシートを温められるかは商品ごとに違います。
体用シートは拭く部位と肌に合うものを選ぶ
広い範囲を拭きたいなら、手で持って拭きやすい大きさと厚さのシートを選びます。香りが残るのが苦手なら無香料、アルコールに弱いならノンアルコールが候補です。そのうえで、顔・体・おしり周りのどこに使えるかと、自分の肌や年齢に合う使用条件かを確かめましょう。無香料でもアルコールを含む商品があるため、香りの有無と成分は別々に確認してください。[3]家族で使うなら、子どもへの使用条件や肌の弱い人への注意も必要です。使用中に赤み・かゆみ・刺激が出たら中止し、商品表示に従って医師へ相談してください。
「洗い流し不要」と書かれていても、清拭料の中には水やお湯で薄めたり、別のタオルで拭き取ったりするものがあります。袋から出して拭くだけで済ませたいのか、少量の水とタオルを使えるのかで、選ぶ用品が変わります。すすぐ水がないときに、普段のボディソープを使い始めないようにしましょう。
体用シートの枚数はメーカーの計算例を出発点にする
体を拭く方法を決めたら、断水が続く間の枚数も数えておきましょう。体用シートの具体的な目安として、サラヤの備蓄数量シミュレーターは身体用清拭シートを1人1日2回、1回2枚、計4枚で計算しています。[4]
サラヤの計算例では、体用シートは1人1日4枚。3日分で12枚、7日分で28枚です。これはサラヤの対象シートを使った計算例で、どの商品でも4枚あれば十分という基準ではありません。シートの大きさ、拭く部位、汗や汚れに応じて必要量は変わります。
| 人数 | 体用シート・3日分 | 体用シート・7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 12枚 | 28枚 |
| 2人 | 24枚 | 56枚 |
| 4人 | 48枚 | 112枚 |

この枚数には髪用のシートや、介助などで追加する分を一緒に数えません。目安量を用意したうえで一回使ってみると、手元の商品の大きさで拭ききれるか、家族に足す分があるかを確かめられます。
体用シートの例
無香料・ノンアルコール
ハビナース からださわやか清拭タオル|30枚入
水を使わず、顔・体・おしり周りを拭く大判タイプです。目や目のまわり、粘膜、傷・はれもの・湿疹のある部位には使えません。メーカーは温めて使うことを勧めていません。[5]
体用シート30枚入の価格・内容を見る(広告)髪を洗えないときは、タオルとドライシャンプーを使い分ける
体と同じように、髪や頭皮もタオルで拭く方法があります。水を使えないときでも、乾いた清潔なタオルで汚れを拭き取れます。少量の水が使えるなら、軽く湿らせて絞ったタオルで髪を分けながら拭きましょう。長い髪はタオルではさんで、たたくように拭く方法もあります。ブラシは頭皮を傷つけにくい、毛先の丸いものを使います。[2]

タオルで拭くだけではべたつきが気になるなら、ドライシャンプーという選択肢もあります。水で洗い流さずに髪や頭皮をケアする用品で、シート、スプレー、泡などがあります。髪用のシートなら、髪を分けて頭皮へ届くように拭きます。スプレーや泡には塗った後にタオルで拭き取るものもあるため、容器だけで済むのか、タオルも必要なのかまで見ておきましょう。
ドライシャンプーは使った瞬間の爽快感に加えて、その後の髪の状態まで確かめると選びやすくなります。髪がどの程度湿るか、香りが残って気にならないか、ごわつきやべたつきを感じないかまで確かめます。断水と一緒に停電していれば、濡らした髪をドライヤーで乾かせるとは限りません。ドライシャンプーを備えるなら、ドライヤーを使わずに使い終えられるかも選ぶ条件にしましょう。
香りが苦手なら無香料、冷感が苦手ならメントールなどの成分にも目を向けます。ただし無香料だから肌に合うとは限りません。水で洗うシャンプーと同じ仕上がりを求めて量を増やさず、表示された使い方を守ってください。水が乏しいときほど、目に入れないことにも注意が必要です。髪を乾かす手段がない場合や肌に合う用品がない場合は、乾いたタオルで汚れを拭き取る方法でつなぐこともできます。
髪用シートの例
香り・冷感あり
メリット ドライシャンプーシート すっきり爽快タイプ|12枚入
水や追加のタオルを使わず、地肌・髪を拭くタイプです。香りがあり、エタノールとメントールを含みます。アルコール過敏症、冷感刺激に弱い人、特に肌の弱い人、乳幼児には使えません。顔・粘膜・傷や湿疹のある部位・除毛直後にも使えません。[6]
髪用シート12枚入の価格・内容を見る(広告)体を拭いた後に、清潔な下着へ着替えられるようにする
体や髪のケアに使うものを用意したら、着替えも一緒にそろえましょう。体を拭くものがあっても、替えがなければ、汗や汚れの付いた下着をまた着ることになります。しかも断水が続く間は、使った下着を洗って翌日に回すことも難しくなります。入浴できない期間をしのぐには、体拭き用品と、清潔な下着の予備を一緒に備えましょう。

普段の下着・肌着・靴下を家族ごとのサイズで用意し、清潔なものと使用済みのものを入れる袋を分けます。使い捨て下着も予備になりますが、サイズや着心地が合わなければ使い続けにくいため、普段の下着とどちらが自分に合うかを考えて選んでください。
下着は洗濯せずに過ごす日数と普段の取り替え方から数えます。例えば1日1枚取り替えるなら、7日分の替えは1人7枚、2人で14枚。汗や汚れ、月経、介助などで交換が増える人は、その分も加えましょう。体用シートの袋数だけを見て、家族のケア一式がそろったと思わないことが大切です。
花王は、替えがなく洗濯もできない場合に、パンティライナーなどを活用する工夫も案内しています。[7]普段から使っている人には汚れを減らす補助になりますが、下着全体の汗や汚れまで取れるものではありません。汚れたり湿ったりしたら取り替え、替えの下着も別に確保します。
飲用・調理用とは別に水を使えるようになったら、下着などを小分けにして洗う方法もあります。ただし、洗う水だけでなく、すすぐ水と十分に乾かす場所まで必要です。花王も丈夫な袋で下着などをもみ洗いし、水を替えてすすぐ方法を紹介しています。[7]排水してよいことと衣類の洗濯表示を確認し、水や干す場所が確保できない間は替えの下着でつなぎましょう。
用品をまとめて備え、乾燥や使いにくさを見落とさない
体用のシート、髪のケアに使うもの、清潔なタオル、替えの下着と袋をまとめておくと、使うときに探し回らずに済みます。体用と髪用を見分けられるようにし、家族それぞれの肌に合うものや、下着のサイズも分かるようにしておきましょう。

長く保管したシートが乾いていれば、枚数がそろっていても体を拭けません。買った用品を使わずにしまい込むと、大きさや拭き心地も分からないままです。普段使う袋と未開封の予備を分け、開封した袋は使うたびにしっかり閉じて、表示に従って早めに使います。保管中に乾いていないか、保存期間や高温を避ける条件も、備えを見直すときに確認してください。
断水が長引いたら、入浴できる場所も確かめる
体を拭き、髪をケアし、着替えを重ねても、入浴できない不快さがすべてなくなるわけではありません。断水が続く場合は、自宅でのケアと並行して、自治体が案内する入浴支援も確認しましょう。厚生労働省掲載の資料には、公衆浴場との連携、仮設風呂、移動入浴車による支援の事例があります。[8]

場所・日時・対象者・持ち物と、安全に行ける経路を確認してから向かってください。普段営業している銭湯が災害後も使えるとは限りません。自分で体を拭けない場合や、肌の赤み・かゆみが続く場合も、一人で抱えず、地域の保健師や医療・福祉の窓口へ相談しましょう。
まとめ
災害による断水でお風呂に入れないときは、飲用・調理用の水を確保しながら、体を拭く、髪をケアする、清潔な下着へ替える方法を組み合わせます。水や電気をどれだけ使えるかによって、手元のタオルと水不要の用品を使い分けましょう。

体用シートはメーカーの計算例では1人1日4枚、7日分で28枚。そこに髪用の用品、替えの下着、清潔なものと使用済みを分ける袋までそろえると、入浴も洗濯もできない期間の備えを具体的に考えられます。
参考資料
- 農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」:飲用・調理用の水と、それ以外に必要な水。
- 花王「水道が使えないときには? 入浴」:少量の水での体拭き、タオルやブラシを使った髪・頭皮のケア。
- 花王「ビオレu 全身すっきりシート」商品表示:無香料でもエタノールを含む製品の例。
- サラヤ「感染対策用品 備蓄数量シミュレーター」:身体用清拭シートの初期設定は1日2回、計算は1回2枚。商品別の備蓄量を見積もる目安。
- ピジョンタヒラ「からださわやか清拭タオル」・清拭用品のQ&A:使用部位、肌の条件、温め方。
- 花王「メリット ドライシャンプーシート すっきり爽快タイプ」商品表示:使い方、成分、使えない人・部位。
- 花王「水道が使えないときには? 洗濯」:替えの下着がない場合の工夫と少ない水での洗濯。
- 厚生労働省掲載「災害時における入浴支援について」:災害時の入浴支援の事例。
